6594 ニデック

個別銘柄プライム市場

商号:ニデック株式会社

プライム市場、TOPIX core30、モーター世界最大手

  • 2026年10月7日、ニデックの大株主であるオアシス・マネジメントが、取締役会に非公開化案の初期的な検討を求める
  • 2026年9月30日、4月時点で2500億円規模と見込んでいた減損損失は実際には6320億円。
  • 2025年10月28日、不適切会計の疑いによリ東証が特別注意銘柄に指定。ストップ安。

ニデックの不正会計

おおまかな経緯

「2024年に小さな会計上の問題が見つかった」「2025年に別の問題が発覚」→「調べたらグループ各地で多数の会計不正が見つかった」→「過年度決算を大幅に見直す段階に発展した

2024年に発覚した問題と、2025年から始まった一連の大規模な会計不正調査は、最初から同じ事件だったわけではない。

時期何が起きたか意味
2024年5月子会社ニデックドライブテクノロジーで売上の過大計上が発覚最初の大きな会計問題
2024年過年度決算を訂正ただし当初は限定的な問題と認識
2025年6月有報提出延期イタリア子会社FIRの問題をさらに調査
2025年7月中国子会社で約2億円の不適切会計疑い別の問題が発覚
2025年9月3日第三者委員会を設置「個別案件ではないのでは?」という段階へ
2025年9月26日有報提出、監査意見不表明財務諸表の信頼性に重大な問題
2025年10月28日東証が「特別注意銘柄」に指定上場維持に関わる内部管理問題へ
2026年2月27日第三者委員会の調査報告多数の会計不正を認定
2026年4月17日最終報告さらに追加の不正を確認、影響額を整理
2026年4月以降過年度決算訂正・決算遅延「一時的な問題」ではなく会社全体の問題へ

① 2024年5月:最初の問題

最初に問題が発覚したのは、ニデックの子会社ニデックドライブテクノロジー(NDTC)。

ニデックのグループ会社同士で行った売買を、ニデック全体の売上として計上。

② 2024年:過年度決算を訂正

この問題によって、2023年3月期・2024年3月期について内部統制上の「開示すべき重要な不備」が認識される。

2024年の段階では、「ニデック全体で組織的に会計不正が行われている」というところまでは判明していなかった。

③ 2025年6月:突然、2025年3月期の有報を出せなくなる

2025年6月、ニデックは2025年3月期の有価証券報告書を予定どおり6月30日に出せないと発表。

原因は、イタリア子会社NIDEC FIR INTERNATIONAL S.R.L.に関する貿易取引・関税問題。

調査対象が広く、連結財務諸表を確定できないため、有報の提出期限を9月26日まで延長。

④ 2025年7月:中国子会社でも約2億円の問題

2025年7月22日、別の子会社であるニデックテクノモータから、中国子会社で約1,000万元(当時約2億円)の購買一時金について不適切な会計処理の疑いが報告される。

⑤ 2025年9月3日:第三者委員会を設置

ニデックは2025年9月3日、第三者委員会を設置。

目的は、

  • 不適切な会計処理の事実関係
  • 影響額
  • 原因
  • 再発防止策

を調べることでした。

会社自身が、「個別のミスを直せば終わり」という段階ではないと判断。

⑥ 2025年9月26日:有価証券報告書をようやく提出

2025年9月26日に2025年3月期の有価証券報告書を提出。

しかし、監査法人が連結財務諸表について監査意見を表明せず。

つまり、「財務諸表が正しいと監査法人として意見を出せる状態ではない」という状態。

⑦ 2025年10月28日:東証が「特別注意銘柄」に指定

2025年10月28日、東京証券取引所がニデックを「特別注意銘柄」に指定。

単なる「決算ミス」ではなく、内部管理体制について改善が必要と判断される。

⑧ 2026年2月27日:第三者委員会の調査報告

第三者委員会の調査によって、ニデックグループの多数の拠点で、多数の会計不正が行われていたことが判明。

具体的には、棚卸資産→本来なら評価損を計上すべき在庫について、評価損の計上を回避・先送り

する。

固定資産本来なら減損などを検討すべき資産について、費用計上を避けるなど。

利益を悪化させる費用を先送りすることで、業績をよく見せる方向の処理が複数拠点で確認。

⑨ なぜそんなことが起きたのか

第三者委員会が指摘した大きな原因の一つが、「過度な業績プレッシャー」。

業績目標を達成したい→費用を今期に出したくない→在庫評価損などを先送り→利益が実態より良く見える→その処理が別の拠点にも存在

という形です。

⑩ 2026年4月17日:最終報告でさらに追加

第三者委員会はその後も調査を継続し、4月17日に最終報告。

ここでも追加の会計不正が発見。

代表例として挙げられたのが、ニデックドライブテクノロジーグループにおける売上の過大計上。

調査では最終的に、

  • グループ395社について自己点検・財務分析
  • 337人へのヒアリング
  • 延べ612回のヒアリング
  • 129人を対象としたフォレンジック調査
  • 第三者委員会60回開催

という大規模な調査になった。

2026年9月30日発表の不正・業績悪化を踏まえて資産価値を見直した「減損損失6,321億円」の内訳

項目金額内容
非金融資産の減損損失6,321億円のれん・固定資産などの価値を大幅に引き下げ
うちACIM2,988億円家電・商業・産業用
うちグループ会社事業1,897億円グループ会社関連
うちMOEN1,163億円家電・商業・産業用
うちAMEC184億円車載
うち機械事業70億円機械・オートメーション
うちSPMS19億円精密小型モーター
特別調査費用等305億円第三者委員会、外部専門家、追加監査など
その他・税金等△為替差益などもあり
最終赤字5,646億円前期は846.7億円の黒字

減損6,321億円のうち、ACIM+グループ会社+MOENだけで約6,048億円、ほぼ全体。

結論

「6,000億円の損失=6,000億円の現金が出ていった」という意味ではない。

減損は、

「今まで帳簿上1兆円の価値があると思っていた資産を、実際にはもっと価値が低いと判断して、帳簿価格を一気に下げた」

という会計処理。

今回の場合、特に大きいのが車載事業と家電・商業・産業用事業です。

製品グループ別に見ると、

  • 車載:2,311億円
  • 家電・商業・産業用:3,351億円

合計5,662億円。減損全体の約90%。

6594 ニデック 業績

決算期

3月

売上・営業利益・経常利益

売上営業利益経常利益
2026年3月2兆7087億円-5189億円-4962億円
2025年3月2兆6063億円1282億円1245億円
2024年3月2兆2347億円1681億円2016億円
2023年3月2兆2300億円899億円1104億円
2022年3月1兆9181億円1703億円1700億円

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