- 2026年5月20日発表2026年2〜4月期決算、データセンター売上(売上の92%)は前年比のほぼ倍の752億ドル、うち392億ドルがAmazon、Microsoft、google、Metaから。
- GPUの他に、CPUでも世界一を目指し、売上200億ドルに達すると予想。
- Blackwellチップの後継「Vera Rubin」は前作の10倍のパフォーマンスで供給が不足すると予想。
概況
- 2026年3月16日時点、ジェンスンファンCEOは2027年には売上1兆ドルに達すると言っている。
- 今後5年(2025年〜2030年)でエヌヴィディアが供給する高性能GPU/AIアクセラレータの需要は、およそ3倍になる確率が高い。
- データセンター向けGPU市場の向こう5年間の保守的な予測だと、年平均成長率は13.7%、一般的な数値で20〜30%と予測されている。
NVDA エヌビディア 事業内容
- 企画・設計・販売は自社で行い、製造はTSMCに委託するファブレス企業
- 半導体ファブレス企業。特にGPU(Graphics Processing Unit)の設計に特化。
- エヌビディアの強み→チップ+ソフト+ネットワークを一体で提供。
- 元々グラフィックの作業に使うGPUを高度な計算や演算に使えるよう「CUDA」という独自のプラットホームを開発。2006年に発表。これがAI開発者の支持を得ているのがエヌビディアの強み。ちなみにこの「CUDA」はエヌビディアのGPUでしか使えない。
- GPUとは、元々はグラフィックを描くためのチップだったが、今はAIや大規模な演算に使われるようになった。
- チップ(半導体チップ)とは電子回路が詰まった小さなシリコンの板。集積回路。
- データセンターでは大量のサーバーがあり、このサーバーで大量のデータを入力してAIがパターンを学び、膨大な行列計算(Matrix Multiplication)を繰り返す必要があり、CPUでは遅すぎる。GPUは数千〜数万個の演算ユニットを同時に動かせるため、AI学習を数百倍高速化できる。
- AI以外のGPUの使い道→天気予報の数値計算、自動車の衝突シミュレーション、半導体設計の回路シミュレーションなど。
NVIDIAがGPUで強い理由
GPUを作っている会社は、NVIDIA以外にもAMD、Intel、Qualcomm、Apple、imagination Technologies、Arm、Moore Threads、Biren Technology、MetaXなどたくさん存在する。
NVIDIAが圧倒的に強いのは、そのGPUを動かす「CUDA」というソフトウェアがあるから。
CUDAとは?
GPUは元々、3DゲームやCGのために作られていたが、2006年頃、NVIDIAは「GPUをゲーム以外の計算にも使えるようにしよう」と考え、そこで開発したのが「CUDA」。
CUDAによってグラフィックの画像処理に使われいたGPUが複雑で膨大な演算や計算に使えるようになった。
CUDAはGPUをプログラムできる仕組みで、ChatGPT、Gemini、Claude、xAIなども利用。つまりGPUだけでなくGPUを使うためのソフトウェア環境までNVIDIAが整備したことが最大の成功の理由。
CPUとGPUの違い
CUDAを理解するには、CPUとGPUの違いを知ると分かりやすい。
- CPU:少人数で複雑な仕事をこなす管理者
- GPU:何千人もの作業員が単純作業を同時に進める工場
例えば100万枚の写真を分類する場合、CPUは1枚ずつ順番に処理する。一方GPUは何千枚もの画像を同時に処理できるため、圧倒的に短時間で終わる。
AIの学習では何兆回もの計算を繰り返すため、この並列処理能力が大きな武器になる。
CUDAは何をしているのか
GPUは性能が高くても、そのままではAIソフトから簡単に利用できない。
そこでCUDAが「AIソフトとGPUをつなぐ橋渡し」の役割を果たしている。
例えばChatGPTを開発する場合、
AIソフト → CUDA → NVIDIA製GPU
という流れで命令が送られ、GPUが高速に計算を実行する。
つまりCUDAはGPUの性能を最大限に引き出すための共通基盤といえる。
なぜCUDAが重要なのか
AI開発では、プログラムを書くだけではなく、多くのライブラリや開発ツールが必要になる。
CUDAには以下のような開発環境が用意されている。
- AI開発ライブラリ
- 数学計算ライブラリ
- 画像処理ライブラリ
- 動画処理ライブラリ
- 開発ツール
CUDAが使われている分野
CUDAはAI以外にも幅広く利用されている。
- 生成AI・大規模言語モデル(LLM)
- AI画像生成
- 動画編集
- 3DCGレンダリング
- 医療画像解析
- 科学シミュレーション
- 気象予測
- 自動運転
いずれも大量の計算を高速に行う必要がある分野である。
なぜNVIDIAがAI市場で強いのか
AI向けGPUではAMDやIntelも製品を開発しているが、NVIDIAが高いシェアを維持している理由の一つがCUDAである。
世界中のAI開発者がCUDAを前提としてソフトウェアを開発しており、多くのAIフレームワークもCUDA向けに最適化されている。
そのためGPUだけを他社製品へ置き換えることは簡単ではなく、ソフトウェア資産まで含めた「CUDAエコシステム」がNVIDIAの競争力になっている。
まとめ
CUDAは、NVIDIA製GPUをAIや科学計算などに活用するためのソフトウェア基盤である。
GPUの並列処理能力を簡単に利用できる環境を提供したことで、生成AIやディープラーニングの発展を支えてきた。現在ではAI開発の事実上の標準技術となっており、NVIDIAがAI半導体市場で優位性を維持する大きな要因の一つとなっている。
NVIDIAの強みはCUDAだけではない
さらに重要なのは、
CUDAは単なるプログラミング言語ではありません。
その周りには、
- AI用ライブラリ(cuDNN)
- 行列演算ライブラリ(cuBLAS)
- 通信ライブラリ(NCCL)
- 最適化ツール
- デバッグツール
- 数千GPUを効率よく動かす仕組み
などが何十年もかけて整備されている。
オープンウエイトとは?
「無料で使えるAIの土台」をNVIDIAが提供するイメージ。
AIの中身をある程度公開し、誰でもダウンロードして利用でき、自分用に改造できる。
例えば、任天堂がハードを売りたいとして、ソフトが売れればハードも売れるのと同じ理論。
AIモデルを無料で公開→世界中の企業や研究者が使う
↓
NVIDIAのGPU向けに最適化される
↓
GPUがもっと売れる
という流れを狙っている。
NVIDIA Maxineとは?
NVIDIA Maxine(エヌビディア・マクシン)とは、ビデオ会議やライブ配信、動画制作などで映像や音声をAIによって改善するための開発プラットフォーム。
一般ユーザー向けのアプリではなく、Zoomのようなビデオ会議サービスやライブ配信ソフトなどを開発する企業向けに提供されている。
- AIによる音声ノイズ除去
- Studio Voiceによる音質改善
- Eye Contactによる視線補正
- 映像の高画質化
- 背景処理やARエフェクト
- GPUとCUDAを利用したリアルタイム処理
オンライン会議やライブ配信、動画制作などの品質向上を目的として、多くのソフトウェアへ組み込まれており、NVIDIAのAIソフトウェア戦略を支える技術の一つとなっている。
NVIDIA Maxineでできること
Maxineには、リアルタイムで映像や音声を改善するAI機能が搭載されている。
ノイズ除去
囲の雑音をAIが除去し、人の声だけを聞き取りやすくする。
例えば、
- キーボードの打鍵音
- エアコンの風切り音
- 車の走行音
- カフェの雑音
などを低減できる。
Studio Voice
一般的なヘッドセットやノートPCのマイクでも、高性能なスタジオマイクで録音したような音質へ補正する機能である。高価なマイクを用意しなくても、会議や配信の音声品質を向上させられる。
Eye Contact(視線補正)
カメラではなく画面を見ながら話していても、AIが目線を補正し、相手からはカメラを見て話しているように見せる機能である。
プレゼンテーションやオンライン会議で自然な視線を維持しやすくなる。
映像の高画質化(Super Resolution)
低解像度の映像をAIで補完し、高解像度に近い画質へ改善する。
通信速度が遅い環境でも画質を維持しやすくなるため、オンライン会議などで利用される。
Video Relighting
AIが人物の顔を認識し、照明が暗い環境でも明るく自然な映像へ補正する。
照明機材がなくても、顔が見えやすい映像を作成できる。
背景処理・ARエフェクト
背景をぼかしたり、人物だけを切り抜いて背景画像へ置き換えたりする機能にも対応している。
グリーンスクリーンを使用しなくても背景変更が可能である。
NVIDIA Maxineが注目される理由
AIの普及により、オンライン会議やライブ配信、遠隔教育、カスタマーサポートなどでは、高品質な映像・音声への需要が高まっている。
従来は、
- 高性能カメラ
- 高価なマイク
- 照明機材
が必要だった品質を、AIによるリアルタイム補正で実現できるようになった。
そのため、ソフトウェア開発企業はMaxineを組み込むことで、高度なAI機能を短期間で自社サービスへ追加できる。
NVIDIA Broadcastとの違い
混同されやすいのが「NVIDIA Broadcast」である。
両者の違いは以下の通り。
| 項目 | NVIDIA Maxine | NVIDIA Broadcast |
|---|---|---|
| 対象 | ソフトウェア開発企業 | 一般ユーザー |
| 提供形態 | SDK・AIマイクロサービス | Windowsアプリ |
| 用途 | 自社サービスへAI機能を組み込む | Web会議やライブ配信で利用 |
| 主な利用者 | Zoomなどの開発企業 | RTX GPU搭載PCユーザー |
つまり、Maxineは開発者向け、Broadcastは利用者向けという違いがある。
NVIDIA MaxineとCUDAの関係
MaxineのAI処理は、NVIDIA GPU上で高速に動作するよう最適化されている。
そのため、多くのAI処理はCUDAを利用して実行される。
GPUの並列処理性能を活用することで、
- ノイズ除去
- 視線補正
- 高画質化
などをリアルタイムで実行できる。
業績
| 売上 | 営業利益 | 経常利益 | |
| 2026年1月 | 2159億ドル | 1303億ドル | 1414億ドル |
| 2025年3月 | 1304億ドル | 814億ドル | 840億ドル |
| 2024年3月 | 609億ドル | 329億ドル | 338億ドル |
| 2023年3月 | 269億ドル | 42億ドル | 41億ドル |
| 2022年3月 | 269億ドル | 100億ドル | 99億ドル |

