9104 商船三井

個別銘柄プライム市場

9104 商船三井 個別株解説

9104 商船三井 事業内容

[商船三井ホームページより]

ドライバルク事業

ドライバルク船事業

鉄鉱石や石炭、木材チップ、バイオマス燃料などの資源から肥料、穀物、セメント、塩、鋼材などの中間財・製品に至る多種多様な乾貨物などの輸送、多様な貨物の輸送に対応できる汎用ばら積み船と、特定貨物の特性と、積み地および揚げ地の状況を考慮して設計・建造された各種専用船で、さまざまな顧客ニーズに応えた輸送サービスを提供。

エネルギー事業

タンカー事業

原油、石油製製品、液体化学製品などを輸送。

VLCC(Very Large Crude Oil Carrier : 20万重量トン以上)と呼ばれる大型原油タンカーおよびアフラマックスと呼ばれる中型原油タンカーを擁し、世界の原油の安定供給に貢献。また、軽油やナフサ、ガソリンなどの石油精製品輸送を担うプロダクトタンカー、液体化学品輸送を担うケミカルタンカーやメタノールタンカーなど、輸送貨物の特性に応じた船隊の充実。

窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)の排出量を低減できるメタノールを燃料とする主機関を搭載した世界初のメタノール運搬船を導入。

液化ガス船事業

東京・ロンドン・香港・ジャカルタ・マスカット(オマーン)・アルズー(アルジェリア)の世界6拠点でLNG船の船舶管理、LPG(液化石油ガス)の輸送を担うLPGタンカーを保有・運航、大型液化エタン専用船による輸送事業に参入。

海洋事業

FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)やFSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)の運用が主な海洋事業。

2010年に参入したFPSO事業では、現在ブラジル沖で9件、ガーナ沖で1件、メキシコで1件のプロジェクトに参加しています。また、2014年にはFPSOなどの洋上石油生産貯蔵積出設備から陸上の石油精製基地まで原油を輸送するシャトルタンカー事業、2016年には海底石油・ガス田向けに海底設備の設置・保守・修理・撤去作業を行うサブシー支援船事業、2017年には洋上風力発電設備設置船事業にそれぞれ参画し、2020年には洋上風力発電所向けService Operation Vesselの定期貸船契約を締結。

FSRUでは、2017年に竣工したアジア船社初のFSRUが現在トルコで操業中、2021年から香港での長期契約に投入予定。インドネシアでは大型LNG火力発電所と一体運用されるFSRUを操業準備中のほか、インドでのプロジェクトも2021年に開始予定。直近では欧州のガス・電力大手Uniper社とドイツ初のLNG洋上受入基地の事業化を進める。

2019年にトルコの発電船事業者Karpowership社と共同でFSRUと発電船を組み合わせたLNG発電船事業を開始。

2021年には液化CO2海上輸送事業に参画。液化CO2海上輸送はCCUS(Carbon dioxide Capture Utilisation and Storage)バリューチェーンの中で回収地と貯留地(もしくは有効利用地)を効率的に結ぶ。CCUS事業バリューチェーンの上流・下流への事業拡大を目指す。

洋上風力発電関連事業

洋上風力発電設備建設前の立地環境調査、洋上風力発電設備建設部品及び資材の海上輸送、洋上風力発電設備設置、アジア初のSOV(Service Operation Vessel、洋上風力メンテナンス支援船)事業、O&M人材育成・供給、O&M拠点港整備、風力エネルギーを伸縮可能な硬翼帆によって推進力に変換して利用する硬翼帆式風力推進装置の開発など。

製品輸送事業

コンテナ船事業

商船三井、日本郵船、川崎汽船の定期コンテナ船事業を統合し、2018年4月にサービスを開始したOcean Network Expressの船隊規模は世界6位、超大型コンテナ船を含む232隻が運航。

自動車船事業

一般の乗用車から建設機械まで、あらゆる貨物が対象。小型車に換算して7,000台の自動車を一度に輸送可能。また、風圧抵抗の軽減や太陽光発電システム、LNG(液化天然ガス)を主燃料とする自動車船の採用を進めている。

ターミナル事業

東京・横浜・名古屋・大阪・神戸の5ヵ所におけるコンテナターミナルの運営をはじめ、国内各地にて自動車船その他在来貨物船の荷役サービスを行い、総合的な港湾事業を展開。ベトナム2ヵ所でもコンテナターミナルを運営。

ロジスティクス事業

グループ会社の、商船三井ロジスティクス(株)(株)宇徳が航空・海上・陸上輸送、通関、倉庫保管やバイヤーズコンソリデーションなど、多様な物流サービスを提供。タンクコンテナによる液体化学品輸送サービスや、「MOL Project & Heavy Cargo」ブランドで重量物・大型貨物輸送のワンストップサービスを展開。

アジア、アフリカなどの成長地域をはじめ、世界26ヵ国、274拠点に展開。

ウェルビーイングライフ事業

不動産事業

グループのダイビル株式会社がオフィスビルを中心とした不動産事業を展開。

フェリー・内航RORO船事業

貨物と旅客の輸送サービス。大阪~別府航路に就航する「さんふらわあ くれない」など。

クルーズ事業

ワンナイトクルーズ、日本列島一周クルーズ、海外クルーズなど、にっぽん丸クルーズを商船三井クルーズ(株)が提供。

関連・その他事業

曳船(タグボート)事業

タグボート(曳船)による港での船舶の接離岸作業や大型貨物船の進路警戒作業。

海事コンサルティング事業

グループ会社のMOLマリン&エンジニアリング株式会社(MOLMEC)にて、船舶航行環境の評価や船舶係留時の安全性検討、国内外の港湾機能や物流施策の評価・検討、脱炭素社会実現に貢献する方策の検討、国の海洋施策に関わる調査等、海事全般に係るサービスを幅広く展開。

決算

3月

9104 商船三井 売上・営業利益・経常利益・前年比増減率

2024年3月期

売上:1兆6,279億円(+1.0%) 

営業利益:1,031億円(△5.1%) 

経常利益:2,589億円(△68.1%)

2024年3月期 決算の要点

【概況・ダイジェスト】
■売上高 :前年度比159億円増。ドライバルク事業等で減収となったが、エネルギー事業等の貢献により前年度比で増収。
■事業利益 / 経常利益 / 税引前当期利益 / 当期純利益:前年同期比 -5,820億円/ -5,526億円 / -5,237億円/ -5,344億円 前年度比で減益。
■増 減 要 因 : コンテナ船事業の運賃下落により前年度比で大幅減益。コンテナ船事業を除くと、ケミカル船をはじめとするエネルギー事業、自動車船事業の好業績、
ドル高の影響もあり、前年度比増収・増益。(通期為替レート:¥143.43/US$ 前年度¥134.67/US$)
【セグメント別】 [23年度経常損益実績(前年度比増減)]
ドライバルク事業 [ 372 億円( -204億円) ]
長期契約(ケープサイズ・木材チップ・多目的船)、過去計上した貸倒引当金の戻し入れ等の利益貢献があったが、パナマ運河の渇水による通峡制限やスエズ運河通峡回避に
伴い船腹需給が引き締まりつつも、中国経済の悲観的観測により市況は上値が重い展開が続いたことで、前年度の好市況には及ばず、前年度比で減益。
エネルギー事業 [ 669億円( +273億円) ]
■ タンカー・オフショア
▼タンカー : 長期契約の利益貢献に加えて、原油船、石油製品船、ケミカル船において、ロシア制裁によるトレードパターンの変化、
スエズ運河通峡回避に伴う航路変更により船腹需給が逼迫し、好市況を享受、前年度比増益。
▼オフショア:FPSO事業は、既存の長期貸船契約に加えて、新たに稼働したFPSOが寄与し、前年度比増益。
■ 液化ガス
▼ LNG船:長期貸船契約や新規契約の利益貢献により安定利益を確保し、前年度比増益。
▼LNGインフラ事業:FSRU事業は、投入先の変更に伴う一過性の費用が発生したため前年度比で減益。発電船事業は、安定的に利益を確保。

製品輸送事業 [1,255億円( -5,780億円)]
■コンテナ船 [515 億円( -5,686億円)]
▼ONE :北米向けの積高が大幅改善したが、新造コンテナ船が多く竣工したことによる船腹供給増や欧州の消費回復の遅れにより、運賃市況が低位に推移した。
スエズ運河通峡回避に伴う航路変更により、4Qに運賃市況が一部好転したが、前年度比大幅減益。
■自動車船 : 港湾の混雑やパナマ運河の渇水等による滞船が本船稼働率を悪化させたが、完成車輸送需要が底堅く推移したため、前年度比で増益。
■港湾・ロジスティクス:港湾事業では、国内ターミナル事業は堅調に推移したが、海外ターミナル事業は荷動きの低迷に伴いコンテナ取扱量が減少。
ロジスティクス事業では宇徳による利益貢献はあったものの、航空・海上運賃市況が軟化。事業全体では前年度比で減益。

ウェルビーイングライフ事業 [ 90億円( +23億円)]
■ 不動産[ 86億円(+5億円)]
■ダイビル:新規物件取得や保有物件の建替え等に伴う費用増はあったものの、新たに取得した大手門タワーの稼働や物件稼働率上昇により、前年度比増益。
■フェリー・内航RORO船 :貨物輸送が減少したが、新造のLNG燃料フェリー就航から旅客輸送が大幅に増加したことに加え、償却年数の変更により、前年度比で増益。
■クルーズ:新型コロナによる行動制限の緩和により旅行需要が回復し、前年同期比で損益が改善。

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