商号:デジタルグリッド株式会社
- 2025年9月12日、2026年7月期の連結業績予想営業利益23億6300万円(前期比13.8%減)を発表後、暴落。理由:系統用蓄電池を保有・運営する事業を拡大のための蓄電池への大型投資、電力取引の契約容量は増えているものの、競争激化で取引手数料が低下、事業拡大に向けた採用や営業活動などの販管費の増加。
- 東芝が大株主。
デジタルグリッド 事業内容
1400の発電する「電源事業者」と、1200社の電気を使いたい「需要家」が従来のように大手電力会社を通さず、直接電力の売買を行えるマーケットを提供。
顧客は再生エネルギー・非再生エネルギー・再生エネルギー比率、価格などを自ら選ぶことができる。
このような仕組みにする背景と目的
目的は「エネルギーの民主化」 — 大手電力会社が一方的に供給するのではなく、発電者も需要家も選択肢を持ち、自由に電力・環境価値を取引できるようにすること。
特に再生可能エネルギー(再エネ)を社会のスタンダードにすることで、持続可能な脱炭素社会の実現を支援。
また、分散型電源(太陽光・風力・蓄電池など)をうまく組み合わせることで、安定した電力供給と、災害時などのリスク対応も可能に — 電力の“所有”から“サービス”への転換を目指す。
Digital Grid Platform
発電事業者と電気を使いたい企業をつなぎ、再エネを自由に売買できるオンライン市場。電気の種類や価格を選んで調達でき、企業の脱炭素や電力コスト最適化を支援。
蓄電池アグリゲーションサービス
複数の蓄電池をまとめて一つの大きな“仮想発電所”のように管理し、電力需給に合わせて充放電を最適化する仕組み。これにより、電気代の削減や系統の安定化が可能になり、蓄電池の価値を最大限に引き出すことが可能。蓄電池への充放電指示まで系統用蓄電池運開後の運用をワンストップで実現。
Econohashi
太陽光発電などの再エネで発電する際に、電気そのものに加えて発生する環境価値だけを切り離し、証書化した「非化石証書」をを企業に代わって代理調達・仲介するサービス「Econohashi」を運営。このサービスを使えば、企業は発電所や設備を持たずとも「この分の電気は再エネ由来だ」という環境価値を取得でき、脱炭素や再エネ利用の実績を確保することが可能。
RE BRIDGE
再生可能エネルギーのオークションサイト、「RE BRIDGE」を運営。日本初のコーポレートPPAオークションサイト。
GX navi
脱炭素ビギナー向けの実践型人材育成サービス、学習サイト「GX navi」を運営。
発電者と企業を結ぶPPAとは?
PPA(Power Purchase Agreement)とは、電力購入契約で、発電事業者が生み出す電気を、企業や施設が長期間・固定価格で購入する契約のこと。
電気を使う側が発電設備を持たなくても、安定した価格で再生可能エネルギーを利用できる。通常、太陽光パネルや風力設備を自社で導入するには多額の初期費用やメンテナンスの負担が必要だが、PPAではその部分をすべて発電事業者が負担。企業は発電した電気を買うだけでよく、電気代の変動リスクも抑えられるため、コスト管理と環境対応を同時に実現でき、発電する側は、電気の売り先が長期契約で確保できること。
PPAには「オンサイト型」と「バーチャル型」の2種類があり、オンサイト型は企業の敷地や屋根に太陽光設備を設置し、現地で発電した電気を直接使う方式。一方、バーチャル型は離れた場所の発電所と電気の売買契約を結び、実際の電気は通常の送電網から受け取りつつ、環境価値だけを発電所から購入する。これにより、敷地の制約がある企業でも再エネ導入が可能になる。つまり、屋根や敷地に太陽光パネルを置けなくても、契約だけで再エネ利用を実現できる
総じてPPAは、設備投資ゼロで再生可能エネルギーを取り入れたい企業と、安定的に電力を販売したい発電事業者をつなぐ、双方にメリットが大きい仕組み。脱炭素が求められる現代において、非常に実用的で成長が期待される電力調達の方法。
蓄電池事業
子会社デジタルグリッドアセットマネジメント株式会社を設立。蓄電所の開発・保有及び運営、投資を行っていく。
デジタルグリッドの成長ポテンシャル
現在、発電家:1472拠点、需要家:3454拠点の客数に対し、発電家市場規模は716634拠点(太陽光:711630拠点、水力:1223拠点、風力:2737拠点、地熱:92拠点、バイオマス:952拠点)、需要家市場規模は781490拠点(工場:160190拠点、医療福祉:10930拠点、店舗:131980拠点、宿泊施設:10170拠点、倉庫:189100拠点、事務所:106880拠点、その他:172240拠点)あり、需要家側で今の200倍強、発電家側で約500倍。
デジタルグリッドの競合との比較
競合は4169 ENECHANGE。「すぐに安定した再エネ導入」「コストを抑えて再エネ証書を得たい」ならENECHANGEが現実的な選択肢。
「将来的な電力市場の革新」「発電家も含めたエネルギーの流通構造の変革」「再エネ+蓄電池を含む統合インフラ」を見据えるならデジタルグリッド。
時価総額はENECHANGE127億に対してデジタルグリッド334億円。
デジタルグリッドとENECHENGEの比較
Digital Grid の強み
- プラットフォーム型で、発電家〜需給家〜将来の蓄電池オーナーまで含めた広いバリューチェーンを見据えている。
- 再エネ証書、市場、将来的な蓄電池アグリゲーションなどを一体化することで、長期的な価値やインフラビジネスへの展開を狙える。
- 「既存の電力契約を代替」というより、「新しい電力/エネルギーの流通インフラ」を作るポテンシャルがある。
ENECHANGE の強み
- すでに「企業向け再エネ/電力プランの仲介・提案」の実績があり、営業基盤・顧客基盤が安定。
- 再エネ電力 + 環境価値(証書)をセットで提案できる可能性が高く、導入ハードルが低い。
- 企業の脱炭素ニーズ・再エネニーズに対して、比較的汎用的なソリューションを素早く提供できる。
将来性
「将来的な電力市場の革新」「発電家も含めたエネルギーの流通構造の変革」「再エネ+蓄電池を含む統合インフラ」を見据えるなら → Digital Grid の可能性にかける価値あり。
「すぐに安定した再エネ導入」「コストを抑えて再エネ証書を得たい」なら → ENECHANGE が現実的な選択肢。
| 分野/機能 | Digital Grid | ENECHANGE | 強み・弱み・補足 |
|---|---|---|---|
| 再エネ電力マッチング / PPA | – “プラットフォーム型”で、発電家と需要家をつなぐ市場を提供 – 企業が再エネ電力を自由に選べる柔軟性あり | – 企業向けに再エネ調達サービスやPPAを提供 – 再エネプランの仲介・提案経験あり | ✅ ENECHANGE は実績・顧客基盤の広さで有利 ✅ Digital Grid はプラットフォーム型の柔軟性で差別化可能 |
| 非化石証書 / 環境価値仲介 | – “再エネ価値(環境価値)”の取引仲介や証書サービスを提供 | – 法人向けに再エネプラン・環境価値の調達を提案可能 | ✅ ENECHANGE は電力プランと証書をセットで提案できる点で実用性あり ✅ Digital Grid は“再エネ価値取引市場”を仕立てる先進性あり |
| 蓄電池/電力の需給最適化・アグリゲーション | – 将来的に蓄電池事業・アグリゲーションを視野に入れており、プラットフォーム連携可能性あり | – 主力は電力調達・契約仲介。蓄電池アグリゲーション事業の公表は限定的 | ✅ Digital Grid は蓄電池などインフラ系サービスで先行できる可能性 ⚠️ ENECHANGE は事業領域が限定的 — 蓄電池の点では弱み |
| 顧客対象/ターゲット層 | – 再エネ発電家、再エネ証書を求める企業、将来は蓄電池オーナーも含む可能性 | – 主に「再エネ導入を考える企業・法人」が中心 | ✅ ENECHANGE は既存の法人ネットワーク・営業基盤が強み ✅ Digital Grid は発電家〜証書買い手〜将来の蓄電池事業者まで、バリューチェーン全体を包括できる可能性 |
| ビジネスモデルの違い | – “市場(プラットフォーム)運営+仲介手数料+将来的なインフラ保有” の可能性 | – “電力契約仲介・プラン提案・手数料/マージン” | ✅ Digital Grid のモデルは将来的成長性に富むが、普及が必要で時間を要す ✅ ENECHANGE のモデルは安定収益で現実的 |
| 実績・知名度・安定性 | – 再エネ先進、プラットフォームという先進性が強み。ただし実績・利用率はこれから拡大フェーズ | – より多くの企業に提案実績・実働実績があり、安定したプラン提供が可能 | ✅ ENECHANGE は「安心」「実績」「安定性」で勝る可能性 ✅ Digital Grid は “将来的な価値最大化”“新しい市場づくり”で勝負 |
350A デジタルグリッド 業績
決算期
7月
売上・営業利益・経常利益
| 売上 | 営業利益 | 経常利益 | |
| 2026年7月 | 71億円 | 30億円 | 29億円 |
| 2025年7月 | 61億円 | 27億円 | 26億円 |
| 2024年7月 | 35億円 | 15億円 | 12億円 |
| 2023年7月 | 16.9億円 | 4.3億円 | 4.4億円 |
| 2022年7月 | 12億円 | 0.3億円 |

