ペロブスカイト太陽電池とは?
薄い、軽い、曲げられる、低コストで量産可能な次世代太陽電池。
ビルや建物の壁面や窓をはじめ、車の屋根やドローンなど、様々な場所の取り付けに応用が可能。
さらに、シリコン半導体に比べて、大幅な原材料費の削減と製造の簡素化により、製造コストの低下が可能。
これでまでの太陽光発電の限界を打ち破り、新しいエネルギー技術の基盤となる可能性が期待されています。
現在、シリコン系太陽電池が太陽電池のシェアの95%を占めていますが、設置場所が限られるという懸念点があり、ペロブスカイト太陽電池はこの問題を解決出来ると期待されています。
また、ペロブスカイトとシリコンのハイブリッド型太陽電池も開発が進んでおり、これによりさらなる効率向上が期待できます。
2035年には1兆円産業にも発展すると言われています。
変換効率の向上
変換効率は急速に向上しており、従来のシリコンベースの太陽電池とほぼ同等、またはそれを超える効率で、既に25%を超える効率を達成。
ペロブスカイト太陽電池の材料
ペロブスカイトとは、特定の結晶構造を持つ物質の名称で、主に有機と無機のハイブリッド材料から成り立っています。ペロブスカイト太陽電池では、このペロブスカイト構造の材料が光を吸収し、電力に変換する役割を果たします。
ペロブスカイト太陽電池に使用される材料は、一般的に鉛やスズなどの金属と有機ハロゲン化物から構成されています。これらの材料は、光を効率よく吸収し、薄い層であっても太陽光をエネルギーに変換する能力を持っています。また、バンドギャップ(電子が励起状態になるために必要なエネルギー)の調整が容易で、太陽光の広いスペクトルを効率的に利用できる点が、シリコン太陽電池に対する大きな利点です。
ペロブスカイト太陽電池の問題点
ペロブスカイト太陽電池にはいくつかの課題も残っています。特に、ペロブスカイト材料が湿気や酸素に弱いため、劣化が進みやすい点が問題です。このため、長期間にわたって安定した性能を維持するための封止技術や、環境耐性を向上させるための材料の開発が進められています。また、現在多くのペロブスカイト材料に鉛が使用されていますが、鉛は有害物質に取り扱いに対して厳しい規制があり、鉛以外の新しい材料の開発も重要な研究課題です。
新たな日本の産業として
鉛以外のペロブスカイト太陽電池の主原料の1つとして、ヨウ素があります。ヨウ素は日本での生産が可能で、生産量は世界のシェアの30%を有します。
このようなことから、新たな日本の産業として、経済産業省資源エネルギー庁が国策として普及を進めています。
ペロブスカイト太陽電池関連銘柄
- 1663 K&Oエナジーグループ
- 3436 サムコ
- 4107 伊勢化学工業
- 4118 カネカ
- 4204 積水化学
- 4362 日本精化
- 5333 日本ガイシ
- 5711 三菱マテリアル
- 6752 パナソニック
- 6804 ホシデン
- 6996 ニチコン
- 7203 トヨタ
- 7752 リコー
- 7259 アイシン
- 7282 豊田合成
- 8015 豊田通商