商号:株式会社イオレ
事業内容
株式会社イオレは、もともと「らくらく連絡網」を運営していたインターネットサービス会社。サークルや部活、PTA向け連絡サービスとして利用者を集め、そこで蓄積した会員データや属性データを活用し、広告事業へ展開。
現在は事業内容が大きく変化、広告事業だけでなく、HR(求人)事業、AIデータセンター事業、Web3・暗号資産関連事業、旅行・ペットメディア事業などを展開。
広告分野では、独自広告プラットフォーム「pinpoint」を活用し、年齢や属性、学生、主婦、シニアなどへ向けたターゲティング広告を提供している。これは、らくらく連絡網時代の会員基盤を活用した事業となっている。
現在の中核に近いのはHRデータ事業で、Indeedや求人ボックス、スタンバイなどの求人検索エンジン向け広告運用を行っている。企業の求人広告を最適化し、応募数を増やすビジネスで、実態としてはネット広告代理店に近い。
近年はAI関連分野にも参入、GPUサーバー販売やAIデータセンター関連事業を展開。この分野が業績拡大や株価上昇の要因。
さらに最近は暗号資産・Web3分野へも積極的に進出。BTC保有やレンディング事業、「らくらくちょコイン」などを展開し、「Neo Crypto Bank構想」のような方向性も打ち出している。広告会社からAI関連企業へ、さらに暗号資産金融分野へと事業領域を広げている形になっている。
このほか、「休日いぬ部」「休日グランピング部」などの旅行・レジャー系メディアも運営しており、広告収入や送客収入を狙うSEOメディア事業も行っている。
かつての「らくらく連絡網の会社」から、データ広告、HR広告、AIサーバー、暗号資産金融などを手掛ける企業へ大きく事業転換している会社、新規事業の集合体。
売上構成
2026年売上予想132億円に対して、
AIデータセンター事業:93億(71%)
AI UI事業:33億円(25%)
業績
決算期
3月
売上・営業利益・経常利益
| 売上 | 営業利益 | 経常利益 | |
| 2025年3月 | 35億円 | -0.2億円 | -0.2億円 |
| 2024年3月 | 38億円 | -0.4億円 | -0.4億円 |
| 2023年3月 | 35億円 | -0.5億円 | -0.5億円 |
| 2022年3月 | 20億円 | -0.4億円 | -0.4億円 |
ちょコインとは?
イオレの「ちょコイン」は何をしているのか?
イオレが暗号資産レンディング事業へ参入し、「ちょコイン」というサービスを開始。
特に注目されているのが、BTC年率8%前後という高利回り。
しかし、暗号資産レンディングを普段触らない人からすると、
- そもそもレンディングとは何か
- イオレは何をして利益を出すのか
- なぜ8%もの金利を払えるのか
- SBIの「HashHubレンディング」は0.1%なのに何が違うのか
イオレのレンディングスキームを、掘ってみる。
「暗号資産レンディング」とは?
簡単に言えば、
自分のビットコインを他人に貸して、利息をもらう仕組み
のこと。
銀行預金に少し似ている。
ただし、実態は銀行よりかなりハイリスク。
例えば利用者がBTCを預けると、事業者側はそのBTCを別の運用先へ貸し出す。
利用者
↓ BTCを預ける
レンディング会社
↓
運用先へ貸す
↓
利息を受け取る
↓
利用者へ一部還元
この「貸した先」が、
- トレーダー
- マーケットメーカー
- 裁定取引業者
- 海外暗号資産業者
- DeFi運用業者
などになる。
イオレは利用者と運用者の「マッチングサイト」なのか?
結論、違う。
一度ユーザーのBTCを預かり、提携先へ流す形
に近いと考えられる。
つまり、
利用者
↓ BTC預入
イオレ系サービス
↓
提携運用先
↓
実際の運用
という構図。
もし本当に単純なマッチングだけなら、
Aさん → B社へ直接貸す
イオレ → 仲介手数料だけ取る
という形になる。
しかしイオレ側の説明では、
- カストディ
- 分散運用
- 運用パートナー
- 資産管理
などが強調されており、ユーザー資産をある程度集約管理している可能性が高い。
なぜ8%もの高金利を出せるのか?
理由は、
高い利回りを必要としている相手へ貸しているから
例えば暗号資産市場では、
- レバレッジ取引
- 裁定取引
- 流動性供給
- 短期トレード
などでBTCを大量に借りたい業者が存在する。
そういった相手は、普通の銀行金利ではなく、スピード重視で高い金利を払ってでもBTCを借りたいケースがある。
その結果、
高金利で貸す
↓
その一部を利用者へ還元
という形で、年率8%前後が成立する。
ただし、当然ながら、
高金利には高リスクが付く
HashHubレンディングとの違い
比較対象として、SBIグループのSBIデジタルファイナンス株式会社が運営している「HashHubレンディング」がある。
HashHubはBTC金利が0.1%程度で、イオレ系の8%と比べると極端に低い。
これは単純に「HashHub」が利ザヤを抜いているという話ではなく、
リスクをかなり抑えている可能性
がある。
金融の世界では、基本的に
低金利 = 低リスク寄り
高金利 = 高リスク寄り
という関係。
つまり、HashHubは比較的保守的な運用先を選び、無理に高利回りを追っていない可能性がある。
一方で、イオレ系はより高収益を狙う運用先へ資金を回している可能性がある。
過去の破綻例
2022年の暗号資産暴落時には、海外の大手レンディング企業が次々と破綻した。
代表例としては、
- Celsius
- BlockFi
- Genesis
- F coin
などがある。
なぜ破綻したのかというと、
顧客からBTCを集める
↓
高リスク先へ貸す
↓
市場暴落
↓
借り手が返済不能
↓
レンディング会社も破綻
という流れ。
つまり、
8%を継続的に生み出すには、それなりにリスクを取る必要がある
ということ。
イオレは金融ライセンスを持っているのか?
現時点で確認できる範囲では、イオレ自身が暗号資産交換業の登録を取得しているという情報は確認できない。
そのため、
提携先の金融・暗号資産事業者と組んでサービスを構築している可能性
が高い。
つまりイオレ自身が銀行のように振る舞うというより、
- 集客
- サービス提供
- UI
- マーケティング
などを担当し、実際の運用や保管は提携先が担う構図に近い可能性がある。
ここは、本質的には金融業の部分なので、グレーゾーンなのかもしれない。
一番重要なのは「誰に貸しているか」
暗号資産レンディングで最も重要なのは、実は利回りでなく、
- 誰に貸しているのか
- どのような運用をしているのか
- 分別管理なのか
- 倒産時にどうなるのか
という部分。
特に利用規約では、
預けたBTCの所有権がどう扱われるか
を確認する必要がある。
場合によっては、BTCを預けた瞬間に、利用者は「BTCを持っている」のではなく、
事業者に対する返還請求権を持つだけ
になるケースもある。
これは銀行預金に近いが、銀行と違って預金保険はない。
この利回りでは普通、破綻は自己責任になる。
ちょコインによるイオレの株価リスク
イオレの「ちょコイン」は、単純に言えば
ユーザーから集めたBTCを、運用先へ貸し出して利ざやを得るビジネス
そして、HashHubレンディングとの大きな違いは、
利回りの高さの裏にあるリスク水準の高さ
暗号資産レンディングは、銀行預金とは違い、
- 元本保証なし
- 預金保険なし
- カウンターパーティーリスクあり
という特徴がある。
結論、株価のリスクは、
1.運用先破綻による、顧客のビットコイン消失リスク
2.暗号資産のグレーゾーンの法的規制
となる。
